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新任知財担当者の理解度向上に

役立っています

ー 広島県立総合技術研究所​
企画部 池田 裕朗 様

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池田さんは、広島県立総合技術研究所にお勤めですが、普段はどのようなお仕事をされていますか?​​

<池田> 広島県立総合技術研究所は、農業技術センター、工業技術センターなど8つのセンターを有する広島県の公設試験研究機関です。 私が勤務する企画部では、これらの研究分野の融合的研究を推進したり、研究所で生まれた知的財産の権利化、活用等を行っています。
広島県の保有する特許としては、例えば、凍結含浸技術(※1)に関する特許などがあり、これらの管理、活用推進等を担当しています。​

 

なぜ CUBIS を活用してみようと思われたのですか?​

<池田> 研究員の多くは、知的財産について詳しく理解していないし、なぜ知財を必要としているのかもよくわかっていない。 その上、研究者にとっては、知財権を取得しようとすると、手続のために手間を取られてしまうので、あまりいいイメージがないんです。
私たちは公務員なので、直接商品を作ることはありません。 私たちの技術を活用してくれる民間企業の方々が困らないように、ちゃんと特許を取って、それをライセンスする、というのが基本的な考え方です。 こういう考え方のもと、研究員の皆さんに、知財がなぜ必要なのかを、わかりやすく、あまり堅苦しく言わないで理解してもらうには、このボードゲームが非常に適していると思いました。 言葉で説明しようとすると、凄く堅い、難しそうな言葉を並べないといけないので困っていたのですが、CUBISのようなゲームで、 感覚的に「あぁ、知財権があると違うんだ」ということをわかってくれるという点がよいと考えました。​

 

知財の入り口的な?​​

<池田> そうですね。 まずは、なぜ知財が必要かというところを理解してもらう、と。​

 

普段は、どんな人たちに CUBIS を使った研修をされているのでしょうか?​​

<池田> 対象者は、知財担当者になったばかりの人、新任で入ってきた人等を中心に、知財の基本を理解してもらうための導入として使っています。 研究所内部の研修が主です。​

 

人数や年齢層はいかがですか?​​

<池田> 人数は大体30人ぐらいで、年齢は色々です。 若い新任者もいれば、ある程度経験を積んでから知財担当になる人もいるので、年齢層は幅広いです。

 

実際にゲームを行う上で気をつけていることはありますか?

 

<池田> 私たちの研究所では、農業、工業、保健など色々な分野の人がいるので、その人達がなるべく1つのテーブルに混在するようにしています。 知財という共通項で、色々なセンターの人がそれぞれの視点で考え、意見を交わすことで、分野を超えた融合のきっかけになることを期待しています。​

 

色々なバックグラウンド、世代の人たちが交流できて面白いですね。ゲームだと性格も出ますし。

 

<池田> はい、ゲームだとすごく性格が出ます!
普段、仕事では見せない一面を見せる人がいたりして、とても面白いですね。​

 

実際に CUBIS を使ってみた感想や、参加者の反応について教えて下さい。

 

<池田> 堅苦しい言葉ではなく、体感できたというのは、知財を知るという意味ではすごくよかったという声が多かったですね。 私たち(企画部のメンバー)や専門家が行う講義では、どうしても難しい言葉が並べられてしまって、参加者の皆さんはそこで嫌気が差してしまうので。
あと、特許だけでなく、商標や意匠も出てきたり、保険が出てきたりするのが面白いですね。 我々公務員ではなかなか経験できないようなことも、企業で事業をしていたら、こんなこともあるのかな、と感じられたのがよかったです。

 

一緒に仕事をする民間企業の立場も理解できるようになるということでしょうか?

 

<池田> そうですね。 我々のところでは、基本的にお金の流れが発生しないので、もうけを出すためにどうすればいいのか、例えば工場を建てて売り上げを増やせばいいのか、 特許を取得して技術で稼げばいいのかなど、バーチャルでもお金の流れを体感し、事業活動のイメージを持てるのは、公務員としては貴重な体験です。

 

県庁という、いわゆるお役所の中でボードゲームをする、ということに関して抵抗感はありませんでしたか?

 

<池田> 初めは、ゲームという言葉を使うのはどうかな、と少し気になりました。 でも、知財の活用について理解するためのグループワークのツールとして紹介したところ、所内でも特に違和感なく受け入れられました。 むしろ、新任知財担当者にとっては、難しい講義を聴くよりもいいんじゃないか、と。​

 

CUBIS は、例えば、どんな使い方に適していると思いますか?

 

<池田> どちらかというと若い人に基礎知識として、知財と企業活動の関係を理解してもらうというシチュエーションが適していると思います。
あとは、中小企業の経営者、社長さん達ですね。経営者の皆さんは、経営に関してそれぞれの考え方、強いこだわりをお持ちなので、 頭を柔らかくして新しいことを取り入れるには、童心にかえってボードゲームで遊んでもらうというのはいいんじゃないかと思います。

 

CUBIS の活用を検討されている皆様にメッセージをお願いします。

<池田> とっつきやすく、わかりやすいツールなので、知財の基本を理解するのに非常に有効だと思います。 ボードゲームという性格上、やってみないとわからないところがあると思いますが、一度体感されると、良さがよくわかると思います。

 

​広島県立総合技術研究所
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
※1:食材内に酵素を急速導入する技術(特許第3686912号)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/

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